「母をたずねて三千里」をたずねて…10年越しの想い
第3話

時は数ヶ月後。京都に戻り、日本生活を謳歌していた僕の元に、一通のハガキが届いた。差出人は、サン・マロに一緒に行った友人だ。旅先からの便りだった。日本から遊びに来ている友達と旅行しているとのこと、ハガキびっしりに書かれている文を読み進んでいくと、衝撃的なことが記されていた。内容は以下の通りである。

僕の友人Aは、その友人Mと旅行をしていた。Mはフランスの旅行ガイドを見ながら、何気なくつぶやいたという。
「あ〜、オンフルール行きたいなぁ。ここは、檀ふみ主演のドラマ“母をたずねて三千里”の舞台になったところなんだよ」
僕の友人Aは耳を疑う。ほんの数ヶ月後、僕が大騒ぎ・大興奮・大狂乱しながら話した「母をたずねて三千里」のことを今、Mが話している。しかも、舞台はサン・マロではなくてオンフルール???AはMに問い詰める。すると、なんとMは、あのドラマをビデオに録画して、何度も何度も観ていたのだそうだ。そして、はっきりと断言したそうだ。
「舞台はサン・マロじゃないよ〜!!!オンフルールだよ!!」

サン・マロのあの海岸沿いで、アホみたいに感激して泣いた僕って一体・・・。

最終話につづく。


異国にて…

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