北欧・夢紀行
〜フィンランド Vol. 4〜

1999年8月7日(土)。フィンランド滞在最終日。明け方、小学校6年生の時の担任だったM先生の夢を見た。懐かしく思い、ここヘルシンキからハガキを出してみた。帰国したら会いに行こうかな・・・もう10年も会っていないので、変わり果てていて驚かれるかな?(実際、帰国後すぐに連絡を取り、10年ぶりに再会を果たした)

夕方の船でストックホルムに戻ることになっているので、それまでは最後のフィンランド滞在を満喫することにする。荷物をホテルに預けて、まずは港付近にある市場へ。日本の子供集団がいた。ここに来る前はスウェーデンの田舎にも行ったとか(耳に入ってきた)。子供時代にこんな美しい国に来ることが出来て、なんて羨ましいことだろう!市場でイカリングとポテトを食べ、座ってハガキを書いていると、日本人のおじさんに声を掛けられた。松下電機に勤めている方だった。少し旅の話などをした。
「ここヘルシンキから船ですぐに行ける、エストニアのタリンは良かったよ〜」
と教えてくれた。行く機会があればいいなぁ!

北欧最大のロシア正教・ウスペンスキー寺院を見てから、白くて美しい外観のヘルシンキ大聖堂に行くと、ちょうど結婚式をしていた。高台から眺める港町もまた格別だ。ここヘルシンキは、スウェーデンの影響を受けた西のトゥルクとは違い、ロシアの影響が色濃く残っている町だ。ひとつの国でもこんなにも違う。一国の首都とはいえ、人口50万人で、キリリとしているストックホルムに比べると、小さくて可愛らしい都会といった感じだ。

夕方、船に乗り込み、いざストックホルムへ。僕の北欧旅行も終わりに近付くと共に、一週間後にはフランスからもう帰国。留学生活もあと秒読み段階に入っていた。

1999年8月8日(日)。朝ストックホルムに着くと、Sが自転車で迎えに来てくれていた。観光バスに乗ろうと提案してくれたので素直に従った。Sはストックホルムで生まれ育ちながら、こういうバスには乗ったことがないし、今回がいい機会だと言って喜んでいた。

北欧での最後の食事は、スウェーデン料理(ミートボール)で締めたかったが、カードを使えるところが見つけられず、結局ピザハットに。Sとも北欧とも名残惜しく別れ、僕はひとり空港に向かった。

感激だらけの北欧旅行は、スカンジナビア航空機内でスチュワーデスにコーヒーを一滴こぼされて幕を閉じた。


異国にて…

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