
| 我が心の北欧 |
|
北欧にはいろんな思い出がある。スペイン旅行中、モロッコの半日観光に参加した際に知り合ったフィンランド人夫婦に「フィンランドに来るならぜひ我が家へ!」と招いてくれ、その言葉に甘えて本当にお世話になったことや、スウェーデン人の友人宅(ストックホルム)であたたかいおもてなしを受けたことなど、本当にいい思い出ばかりだ。幼い頃から、なんとなく思い描いていた「ある風景」、これはきっと北欧にあるのではないか、という勝手な思い込みもあり、死ぬまで北欧には心を奪われっぱなしなのではないかと思いう。
僕が北欧に行ったのは2回。最初は1999年の夏。フランス留学が終わる直前だった。フランスから飛行機で行ったのだが、往復なんと約3万円という安さ!そして憧れの地に着いた時は、感激と興奮で全然落ち着かずにいた。ストックホルムに住む友人は、ガムラスタンという旧市街のかなり素敵なアパートに住んでいたのだが、「両親が郊外にいて、その家が典型的なスウェーデンの家だから、ぜひとも見せたい」と、ご両親宅に2泊。1泊の予定だったのが、ご近所のガーデン・パーテーにも参加した為、急遽2泊に。そしてストックホルムの友人宅に2泊。その後、フィンランドのトゥルクという町で待っていてくれたのは、旅先で出会った若夫婦で、仕事を休んでまで僕を市内観光に連れて行ってくれた。それからは、ユヴァスキュラとヘルシンキを一人旅して、ストックホルムに戻ってから、パリへと帰ったのだが、見るもの全てが美しく、建築に惚れ惚れし、家財道具や飾りなどのセンスの良さに興奮し、清潔感と透明感にため息の嵐。人々の優しさと、治安の良さ、そしてすべての美しさに打ちのめされた僕であった。 2回目の北欧は去年の4月。フランスに住む友人を訪ねに行く際、スカンジナビア航空を使ったので、乗り換え地であるデンマーク(コペンハーゲン)にも2泊した。北欧4カ国の中では、一番古い街並みであり、最大都市でもあるコペンハーゲン。これでノルウェーを除く3カ国は行った事になりるが、やはり僕はスウェーデンとフィンランドに強烈に心を惹かれる。そのコペンハーゲン滞在中、ノルウェー系アメリカ人女性との出会いがあり(70歳くらいのおばあさん)、日本が大好きで日本に行くと故郷のように感じる、ということや、「あなたのその若い頃の体験は、必ず人生を豊かにしてくれる」という励ましの言葉など、旅の醍醐味も感じた。 ところで、コペンハーゲンのスーパーに行った時のこと。友人に頼まれて、トナカイの缶詰を探していた時、ふと目に止まった別の肉の缶詰(何の肉だったかは全く覚えておらず・・・)も買って行ってあげようと、それを何気なく手にして、レジに向かった。レジを打っていたのは20歳前後の若いお兄ちゃんだった。僕は彼に、英語を話せるかどうか確認し(英語圏以外で英語を使う時は、礼儀として最初に必ずそう尋ねるようにしているが、わざわざ尋ねる方が失礼かも!?などと思ってしまう程北欧では英語がよく通じる)、 「これは冷蔵庫に入れなくても大丈夫ですか?今日はホテル泊で、明日飛行機に乗って日本に帰るんですけど・・・」 と英語で聞くと、彼は缶詰を見ながら、 「きっと大丈夫でしょう」 と言い、そして僕にこう言いった。 「あなたは、フランス人?」 ・・・ドキッとした。実際、フランスは移民が多く、こんな東洋の顔をしていてもフランス人であることは珍しくも何ともないので、おかしな質問ではないのだが、前日に10日程滞在したフランスからやって来たからフランスの匂いでもするんだろうか??・・・いや、まさか・・・でもなんで、そんなこと聞くんだろう・・・あ、この缶詰がフランス産だから??などとワケの分からないことを考えていたら、僕自身唖然としていて、そのお兄ちゃんの質問にまだ答えていないことに気づいた。答えなかったからか、そのお兄ちゃん、今度はフランス語で、 「Vous etes francais?」(あなたは、フランス人ですか?) と聞いてくる。そこで我に返った僕は、フランス語で 「いえ、フランス人じゃないです。日本人です」 と答えた後、英語で「なぜフランス人だと思ったのですか?」と聞いた。 すると、彼は「あなたの英語がフランス語っぽかったから、フランス人だと思いました」 と言ったので、そこでやっと謎は解けたのだが、確かに知らず知らずのうちに、アクセントがフランス語調になっていたようだ。そのお兄ちゃんは、学校で第2外国語としてフランス語を勉強していると言い、一生懸命僕に、習ったフランス語で話し掛けようとしていた。しまいには、支払い金額をなんとかしてフランス語で言おうとするも、ややこしい数字だった為に思い出せなかったようで、僕が教えてあげるという、即席スーパーのレジでフランス語教室!になった。一般的に北欧人は外国語に長けていると言われるが、英語もフランス語も外国語なのにも関わらず、微妙なアクセントの違いまで聞き取ってしまうとは、恐るべし・・・。 そして、北欧の言語を習得したい気持ちは満々の僕は元来怠け者体質である為、「外国語習得に独学は向かん!」と、一歩も進む気配ナシなのであった。 |