念ずれば花開く?!〜18年越しの想い〜

「青い瞳の聖ライフ」というドラマを覚えているだろうか。昭和59(1984)年10月から昭和60年(1985)4月まで、フジテレビ系列で放送された大映ドラマである。鎌倉が舞台で、主人公扮する宮川一朗太さんとフローレンスさんの、高校生による偽造国際結婚がテーマで、周囲の冷たい視線に耐えながら、校内マラソン大会で勝つ事と、校内ロックフェスティバルを開く為に戦う姿を描く青春(?)ドラマであった。共演者も豪華で、竹本孝之さん、大沢逸美さん、丹波哲郎さん、梶芽衣子さん、前田吟さん、吉行和子さん、蟹江敬三さん、アパッチけんさん、鈴木ヒロミツさんなど、錚々たるメンバーであった。当時僕は7歳の小学1年生だったが、このドラマにハマリにハマリ(僕だけでなく、学校中が観ていたようなもんだった)、毎週テレビでかぶりついて観ていた。

その頃、連続ドラマであれば最終回をビデオに録画し、それを保存して何回も何回も観るという習性があり、このドラマの最終回も勿論録画していたので、すべてのセリフを暗記するほどであった。その最終回のハイライトとも言える、ロックフェスティバルのシーンは本当に感動的で、主人公二人がこれまでの出来事を思い出して泣きながらダンスをするわけであるが、その時に流れた、主人公の同級生扮する竹本孝之さんがステージで歌った曲がスゴクいい曲だったのだ。子供ながらに耳年増だったので、その旋律がたまらなく切なく、聴く度に胸にビンビン来ていたのである。ロック調でありながらも、どこか郷愁を感じさせるような・・・。気づくと、僕はその歌を何気なく口ずさんでいたりして、忘れられない歌になっていた。

あれから18年。この歌を思い出さない事はない、というくらい、タイトルも知らないこの歌との偶然の出会いを待ち続けていた。以前の日記にも書いたように、思い続けていた曲や人とは必ず出会えると信じていたのである。実際、10年越しで手に入れた曲もあったわけで。この曲も、きっときっと、いつかは手に入る、必ず出会えるとかたくなに信じていたわけである。・・・そう今日までは!!!

最近、もうこの曲が気になって気になって仕方がなく、思い切って竹本孝之さんのホームページを探し出し、掲示板に書き込んでみた。ドラマの場面と、思い出せる限りの歌詞を記し、情報提供して下さい!と・・・。すると、有り難いことにすぐに回答の投稿があった。タイトルは「GET BACK MY HOME TOWN」とのこと、18年越しにタイトルが分かって嬉しかったのも束の間、しかし真実ではあって欲しくない事実も書き込まれていた。

“発売等はされませんでしたが、当時ライブで歌われてましたよ”

・・・。いくらタイトルが分かろうと、いくら当時のライブで歌われようと、商品化されていないのなら手に入り様がないではないの!!これまでの奇跡のようにはいかなかったわけで、結局僕がこの曲を聴けるのは、18年も前に録画したビデオテープでのみ、ということである。しかもしかもしかも、今のような音のいいステレオ放送ではなく、モノラル放送である。思い出の曲は、音も映像も古いビデオの中でしか聴けない・・・。これが18年越しの結果・・・なんと無残な・・・(T_T)


タカハシコウの日常

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