第79話
家族とパリ観光

6月5日(土)。朝5時半起きで、「モン・サン・ミシェル」ツアーへ。バスで片道5時間もかかるのだが、フランスを代表する観光地だけあって大人気である。日本人向けのツアーを申し込んでおいた。ガイドは韓国人で、訛りもある上に、声が凄く小さくて聞き取りづらかった。現地でのランチは、名物である羊肉、オムレツ。御一行には不評。夜になってパリ市内に戻り、日本食レストラン「体心」へ。久しぶりに寿司を食べた。

6月6日(日)。まずストライキのチェック。メトロは動いているものの、博物館や美術館が軒並みスト。午前はヴェルサイユ宮殿の日本語ツアー。しかしガイドが面白くない。僕が前回、G市との交流会で来た時は、凄く面白いガイドだっただけに、どうしても比較をしてしまう。昼は「きんたろう」でラーメン。オペラ座に行けば、外観の改装中。少し中を見学。美術館がストをしているので、行けるところといえば、教会や寺院くらいしかない。ステンドグラスが綺麗なサント・シャペルまでもがスト。結局、シテ島ではノートルダム寺院しか見られず。夕方は雨。エッフェル塔を見に行ってから、近くで食事。サーモンに塩。その塩へのこだわりに感心。

6月7日(月)。ピカソ美術館に行くもスト。雨。オペラ座近くの、有名な「カフェ・ド・ラペ」でお茶。周辺で買い物をし、夕飯はアラン・デュカスの二号店にて。伯母が若いウェイターに激惚れ。玉三郎に似てると大騒ぎ!(いまだに玉三郎の話が出てくるくらいだ) 夜のセーヌ川下りは、子供の団体があまりにもうるさすぎて辟易。しかも、夜なのでいまいち景色が見えない。夜はオススメって聞いたんだけどなぁ。

6月8日(火)。シャンゼリゼで買い物。高級菓子店ラデュレでお茶。マドレーヌ寺院見学。夜はモンマルトルへ。シャンソンを聴かせる店に連れて行きたかったのだが、皆さんのあまりの疲れの様子に予定変更。夕飯だけで退散。

6月9日(水)。パリ滞在最終日にして、やっとスト解禁!ルーブル美術館を駆け足で回る。庭園でパンを食べ、その後はタクシーで空港へ。あまりにもあっと言う間の5日間で信じられなかった。それにしても・・・歩かせすぎて、皆さんぐったり。僕も相当疲れていたようで(実際のところ、記憶がかなり抜けている)、ちょっと感傷的になったが、明るく別れた。見送って一人になり、母をはじめ、皆の笑顔が胸に残る。2ヶ月後には僕も帰国するのに、突然日本に帰りたくなった。今、皆と一緒に帰りたい・・・と思った。

パリ市内に戻り、花子と待ち合わせ、イタリアンで夕飯を。
「6人も引率するって、かなりスゴイよ。そりゃあ疲れるわ。私だったら出来ないわぁ」
と言って、しきりに感心された。その後、映画を観に行ったが、僕はもう爆睡もいいところ。ところどころで花子に起こされ、「寝るの?見るの?」と訊かれる度に、「見る」と言って起きるのだが、2秒後には寝てしまう。こんな疲れてる時に何も映画に行くことなかったのになぁ。

第80話につづく

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