2005年6月25日(土)〜26日(日)

<激安!>
今年は海外旅行に行く予定もお金もないなぁ〜・・・でもどこかに行きたいなぁ〜・・・と思っていたところ、ふとサイパンが頭に浮かんだ。そういえば、かなり安く行けるはずだった。早速インターネットで調べてみると、6月はシーズンオフということもあり、航空運賃とホテル代込みの3泊4日で2万9千700円という安さ!国内旅行よりも安いではないか!!その時点で僕の頭の中は青く透き通った海で埋め尽くされてしまった。こりゃ行くしかない!というわけで、一緒に行く友人を探すべく、あちこちにメールをしてみるも、次々にお断りの返事が返って来る。皆、お忙しいようで・・・何よりでございます。ところが、とある友人は「行く!」と一言返事。どうやら行く気満々のようだ。共通の友人も誘ったのだが、諸々の事情で敢え無く断念。結局、友人Aと男2人だけの味気ない旅決行と相成った。

<甘い誘惑>
出発日は6月26日(日)。この日までの数日はなぜだかかなり慌しい日々が続いていた。前日の土曜日は神奈川の友人宅にて鍋パーテー。帰宅するのは夜中だと分かっていたので、この日は徹夜して荷造りや諸々の作業を済ませようと思っていた。なんせ、飛行機は10時半発、成田空港での集合時間は8時半、ということは6時半には家を出なくてはならないのだ。そして実際、友人のバイクに乗せられて帰って来たのは夜中の3時半。送ってくれた友人と4時までお茶を飲み、友人が帰った後、荷造りに取り掛からねばならなかったのだが、1週間の遊び疲れと眠気と酔いが悪魔の言葉を囁く。そしてその誘惑に負け、僕は布団が敷いてあるロフトへと上がってしまった。これまで、“寝てはいけないけれど眠い・・・ではちょっと上に行って横になろう・・・けど絶対に寝ない”と誓いつつロフトに上がり、寝なかったことは一度とてない。




<・・・!!!>
ハッと気が付いた時、時計は既に7時20分を指していた。一瞬、何が何だか分からない!! 飛行機は10時半、集合は8時半、家を出るのは6時半・・・そして、今は7時20分。鳥がチュンチュン鳴いている。爽やかな朝。僕は2日もシャワーを浴びずに汗まみれ。これは一体、どういうこと?今、自分は何をしている??・・・しばし考えた後、遅ればせながらやっと気付く。大遅刻!!! 携帯を見ると、Aから何度も着信があった。そう、僕は寝るつもりではなかったので、携帯はバイブのままだったのだ。何で目覚めたかといえば、家の電話が鳴ったからである。Aはもしや、と思い、何度も電話を掛けてくれたのだ。6時半に家を出なければいけないのに、今は7時20分。しかし、海外行きの便は、出発の1時間前までに行けば何とかなることを知っている。余裕を持って2時間前の集合になっているわけだ。だから、今から急いで空港に行けば、飛行機に乗ることは出来る。何とか間に合う!しかし、僕は荷造りをしていない。なーんにもしていなかったのだ。全速力でカバンにあれこれ詰め込む。水着とパスポートだけは忘れまい。その他は何を忘れても何とかなるだろう(実際、寝る時に着るものを忘れたくらいだった)。こんな時であるにも関わらず、荷造りをしながらもパソコンの電源を入れ、不在中のテレビ番組をチェック。運がいいことに、面白そうなものは何もない。

顔だけ洗い、歯も磨かず、髪もセットせず、そして2日もシャワーを浴びず、家を飛び出して駅まで全速力で走った。携帯電話の充電は今にも切れそうだ。何から何まで準備不足。それでも運良く渋谷でうまく成田エクスプレスに乗ることが出来た。満席だったので、立ち席だったが、とにかく乗ることが出来ただけで有り難かった。1時間半の道中、歯を磨いたり、メールを打ったり、自分の掲示板に投稿したりして、ギリギリ9時半到着で間に合った。友人Aはちょいとご立腹のご様子だったが、「床屋に行って髪切った」と嬉しそうに言っていた。聞けば、僕の自宅の電話番号を知らなかったAは、富山に住む共通の友人にメールをしたのだそうだ。朝の7時だから起きてるかなぁ、と思ったらしいのだが、運よくすぐに返事が来て、僕の自宅に電話を掛けられたとのこと。実は、その富山の友人には、最近になって自宅の電話番号を教えていたのだ。全てが偶然の繋がりのように見えるが、何かが先を見越してそうさせていたのだろうか?! 何はともあれ、富山の友人のおかげで、僕は無事に機上の人になることが出来た。もし、あのまま眠っていたら・・・と思うとゾッとする。


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