2006年7月10日(月)

朝10時前に起床。う〜ん、よく寝たよく寝た。フレドはもう出勤している。アユミは本来ならこの時期仕事をしていて、僕の遊びには付き合えないはずだったのだが、当初の思惑は外れ、毎日一緒に行動することが出来るという。なんと嬉しいことか!僕はひとりで美術館に行ったり、カフェで読書をしたり、という行動を思い描いていたので、本をどっさり買ってきたのだが、こんなに買って来る必要はなかったようだ。

11時半に家を出た。アユミはちょいとばかり仕事があるというので、僕はひとりで買い物をすることに。パリの老舗デパート「ボン・マルシェ」の近くには、岸恵子さんが離婚直後に住んでいたアパートがある。デパートの隣(というか繋がっている)「エピスリー」はいろんな食材が売っているので、そこでお土産を買った。レジで、僕は恐る恐るJCBカードを出し、店員に「このカード使えますかねぇ?」と訊いたところ、「使えるんじゃない?」と笑顔なし、声量なし、愛想なしに対応された。「使えないかも知れないけど」と僕が言い、その店員は隣の店員にも確認し、2人とも感じ悪い中、僕はひとりにこやかに「あ、大丈夫?使えますね」と言い笑った。店員は相変わらず無愛想。以前の僕なら、「ったく、フランス人は!」と怒っていたところだが、今の僕は旅行者だからだろうか?「なんでこの人たち、こんなに感じ悪いんだろう」と思うと可笑しくてたまらなくなる。

買い物が早く終わったので、公園で読書。それにしても暑い!陽射しが強い!アユミが来ない!電話する。
「あ〜、ゴメン、今から行くから」
待つこと10分。アユミがやって来た。
「何、恋人気取りで座ってんの?」
たまたま横に可愛らしいフランス人のお嬢さんが座っていたのだ。一言も言葉など交わしてないというのに、「恋人気取り」とは何たる・・・。

岸恵子さんが住んでいたアパート
老舗デパート「ボン・マルシェ」 巨大食品館「グランド・エピスリー・ド・パリ」

ランチは近くのイタリアンにて。
「ここ美味しいんだ」
アユミが言う通り、店内は随分と混んでいる。店員はほとんどイタリア人。久しぶりに聞くイタリア語訛りのフランス語。昼間からビールとワイン・・・まぁ僕は日本にいても昼間から飲む習性があるのだが。食後にコーヒーというのがフランスの主流。ちなみに、フランスのコーヒーは「ホット」しかなく、「アイスコーヒー」たるものは存在しない。はずなのだが、アユミが「アイスコーヒー」を注文すると、なんと問題なく出てきたではないか!イタリア料理はまた違うのか?!しかし、小さい・・・。僕とアユミは大学時代から仲が良く、喋り出すと止まらない。よって、今日のランチが終了したのはなんと4時前!その後、アユミがイタリア人の店員に話し掛けたところ、今度はそのイタリア人の話が終わらない終わらない(ワールドカップで優勝はしたが、あの勝ち方はイタリアの恥だ!などと熱弁していた)。結局店を出たのは4時過ぎ。

小さなアイスコーヒー

さあ!今日一発目の観光はギメ美術館!目的地に着いたのは既に5時過ぎ!閉館は6時。しかし「5時45分には閉めます」とのお言葉。さ・す・が・フ・ラ・ン・ス!閉店、閉館はきっちりと余裕を持って・・・なのですネ。お・バ・カ・さ・ん!ギメ美術館はアジアの美術品が集められていて、特に仏教系のものが多い。勿論日本のものもあるが、やはり日本のものは日本で見るに限る。


エッフェル塔が見える・・・ パレ・ドゥ・トーキョー近くにて、絵を描いている若者たち

その後は大好きなマレ地区へ。パリに住んでいた頃、何度となく通ったところ。4年前に遊びに来た時も訪れた。ところが、全く道を覚えていない。どこをどう通っても、さっぱり思い出せない。夕飯はファラフェルを食べようと決めていたので、その前に渇いた喉を潤す為に、マレ地区らしいオシャレなカフェかバーに入ろうと思ったのだが、なかなか見つからず、結局アユミが前から行きたいと思っていたらしいスペイン系のバーへ。
「あ、それそれ!その店だよ」
「・・・?スペインじゃなくて、メキシコじゃん!」
というわけで、スパニッシュ・バーならぬ、メキシカン・バーにてビールを飲み、しばし談笑。そしてフレドが合流。ファラフェルを食べに行った。イスラエルの料理で、ピタにナスやピーマン、そしてひよこ豆の団子を挟んで食べる。マレ地区にはこのファラフェル屋が建ち並んでいるが、特別美味しいところが1軒ある。そこはいつも人でごった返している。

オシャレなマレ地区の街角
ファラフェル
たらふく食べて、店を出たところ、呼び止められた。振り返ると店員だった。
「このカメラ、あなたのではないですか?」
なんとなんと!僕は席に自分のカメラを忘れてきていたのだ!危ない・・・。フランスで置き忘れをしたら、戻って来ないという覚悟でいたので、その親切心が嬉しかった。やっぱりヌケている僕。しっかり者で通っているのに・・・。

11時帰宅。よく歩いた。よく飲んだ。よく食べた。今回の旅は、観光をするというよりはパリで極々普通に時間の流れを楽しみたいと思っていた(実際もうパリの見所は見尽くしている)。カフェでのんびりする、街の美を体一杯に感じる、友達と喋りまくる。好きな街で、好きな人たちと過ごす時間は本当に何物にも替え難い歓び。心の底から楽しい。

暮れゆくパリの街

パリ滞在3日目へ

出発 いるはずの僕がいない?!
パリ 1日目 無理をすれば大丈夫!
パリ 2日目 心の底から楽しく
パリ 3日目 ずっとパリにいるような…
パリ 4日目 ブリュッセルへ
パリ 5日目 バルビゾンで昼食を
パリ 6日目 パリ祭
ロンドン 最高の締め括り
帰国 オーバーブッキング
■写真集 「パリの街角」■