2017年11月15日(水)
去りがたしトゥールーズ。切ない思いでパリに向かう。若い頃はとにかく都会に目が行っていたが、今は地方にとても惹かれる。とはいえ、やはり11年ぶりにパリにも行かなくては。

朝10時25分の飛行機に乗る為、空港行きバス停近くの​カフェで朝食。


普通ならトゥールーズからパリに飛行機で行く場合はエールフランスの直行便を使うだろう。しかし僕の場合、前述の通り、スターアライアンスの無料航空券を有効に使う為、ルフトハンザでまずはフランクフルトへ行き、そこからパリへ行くという行程。まぁ、ハッキリ言ってバカバカしいスケジュールだ。フランス国内の移動なのに、わざわざ一度ドイツに渡るのだから。でも無料で行くにはこうするしかないのだから、仕方ない。何かの間違いだと思ったらしい空港職員は目を丸くして、「フランクフルトからパリ?!」と、おかしなルートを使う僕に対し、疑問を投げかけてきたので、マイルの関係でね、と答えておいた。確かに、日本で喩えるなら、広島から東京に飛行機で行くのに、韓国経由で行くようなものだ。

いざ機内に搭乗、という時、航空券とパスポートを見ながら、なぜか係員が僕に「ビザはある?」と訊いてきた。税関で訊かれるならまだしも、なんでこんな搭乗口で訊かれるのだろう?と思いつつ、「あるよ、ほら。ここに。ドイツで押されたスタンプ」と答えたら、「ふーん」と言って通してくれたが、よくよく考えたらそれはビザではなくただの入国スタンプだ。しかし、日本から観光でEU圏内に入っているのでビザは必要ない。なのに、なんでそんなことを訊かれたのか、そして税関でもないのに、搭乗口で訊かれたことに対し、大いなる疑問を抱きつつ、狭いビジネスクラスのシートに座った。


機内食

フランクフルト空港で2時間の待ち時間の後、ようやくパリ行きの飛行機へ。夕方5時頃、ふと外を見たら、滑走路を染める夕焼けがまるでオーロラのように美しかった。




機内食

約1時間のフライトで、18時前に11年ぶりのパリに到着。良くも悪くも都会的だ。街並みも人々も地方とは異なり、そして電車や道の汚さも変わらない。当時はそれにさえドキドキしていたなぁ。地下鉄のニオイも皆「臭くて嫌い」と言っていたけど、僕は当時嫌いではなかった。しかし今は、皆と同じように臭いと思う。

アパートに着いたのは19時半。サイトに出ていた写真は正にフォトジェニック!部屋に入った途端、「えっ、これ?!」。まあ、よくある話。清潔で何の問題もないが、写真で見るよりオシャレさはない。数ある地域からDenfert-Rochereauを選んだのは、かつてソルボンヌ大学の夏期講座でこの辺り(カルチェ・ラタン)に毎日通っていて、落ち着いていて治安もいいからだ。



こうして写真で見るとそんなに悪くないが、ネットに出てた写真とは雲泥の差だし、トゥールーズと比べるとさほど快適ではない。
が、別にそんなに悪くもない。が、また使いたいアパートでもない。

疲れていたけれど、思い切って地下鉄に乗って数駅のモンパルナスまで出て、レオンに来た!そう、ムール貝のレストラン!!懐かしい!!!この間、カルカッソンヌで食べようと思ったのに、季節外れで食べられなかったが、パリのレオンでは一年中食べられる。パリだなぁ!ベルギー料理だけどね。

2017年11月16日(木)

朝、アパートのベランダからの眺め

まず午前中はパリ郊外、ポワシーに行くことにして、その前にサンジェルマンデプレで朝食を。ポワラーヌという人気のパン屋さんがやっているカフェ。ポワラーヌではお土産にクッキーを買った。試食させてもらったら、甘さ控えめでとっても美味しかった。さすが、人気店!

この後、電車で30分程の郊外に行くのだが、その詳細は次ページに譲るとして、ここでは午後のパリにすっ飛ぶ。郊外から戻り、以前「世界ふしぎ発見!」で紹介されていた餃子バーへ!!今パリでは日本の餃子が人気らしく、餃子好きの僕はなんとしても試してみたかったのである。小さな店内はフランス人で満席。メニューは餃子とご飯!とってもシンプルな味で美味しかった。

パサージュの中にそのGyoza Barはある

小さな店内はフランス人で満席

餃子大好き人間として、パリにある日本の餃子を堪能して大満足!折角なので、この辺りを散策しながら、ブラブラ1時間程、オペラ座まで歩いてみる。途中、日本の友達とテレビ電話が繋がり、スマホでパリの街並みを実況中継しながら歩いていたら、学校帰りの子供たちが寄ってきたので、「日本のテレビ番組を収録してるんだよ」と言ったら大騒ぎだった。

それにしても、至るところに日本食の店が増えている。しかも、「日本食レストラン」という大雑把なものだけでなく、豆腐屋とか日本酒バーとか。



なぜオペラ座まで歩いてきたかというと、オペラ座を観たかったからではなく、その横にある洋服店「celio」で買い物をしたかったから!この界隈にはZARAもあるし、ギャラリー・ラファイエット(デパート)などもあり、何かと便利なのだ。そして今回は「DEVRED」という新しいお気に入りの店も見つけた。両方の店で、ダウンジャケット、マフラー、セーターなどここぞとばかりに色々買った。


オペラ座

お土産を買いながら、歩きまくったのでさすがにくたびれ果てた。夕食はどうしようかとしこたま迷ったが、結局、知人に教えてもらったレストラン「Chez L'Ami Jean」に行くことにした。地元の人たちで賑わうような界隈だったが、この店には観光客が多く居て、「本当に美味しいのか?」とちょっと不安になったが、とんでもない!身震いするほど美味しかった。

タラ。絶品の一品だった!


帰り道、遠くにエッフェル塔が見えた

2017年11月17日(金)
夕方から大学時代の友人とシャンパーニュ地方に行く為、パリのアパートをチェックアウト。荷物を預かってもらえないので、北駅のコインロッカーへ。パリは日本のように至るところにコインロッカーがあるわけではないので、あまり便利ではない。荷物を預けてから、オシャレなマレ地区へ行ってお土産探し&買い物。

旅に出る前はパリでの日数が短過ぎるのではと気を揉み、トゥールーズに着いたらやっぱり地方都市はいいなと思ってパリの前にトゥールーズ4泊にしたことは正解だと思い、パリに着いた時はトゥールーズ(地方都市)が恋しくて別にパリに来なくても良かったかななどと思ったり…… そして案の定、パリの街を歩くと、やっぱりパリも好きで、今回は短すぎると感じてしまう。フランスはどこに行っても違う表情があり、それぞれ気に入るのだ。



きものや!



よく分からないこういうギャラリーがいかにもパリっぽい


ベルギー発のベーカリーカフェ「Le Pain Quotidien」。スープが絶品。

テーマ別に4店舗ある雑貨屋「Fleux'」へ





パリ市庁舎


北駅。最近、フランスの駅にはなぜかピアノが置いてあり、自由に弾くことが出来るのだ。

メトロで隣のオッサンに腕を凝視される。なんだこのオッサン、と思いながら気に留めないようにしていたのだが、いきなり僕に「あの」と話しかけてきたので、ビックリ。なにかと思ったら「その腕時計、動いてないよね」と言われる。「あー、これ?秒針は動いてないけど、ちゃんと作動してるよ」と言うと、どこのメーカーかと訊かれる。日本製のINDEPENDENTだと教えると、そのオッサンの隣座っている友人らしきオッサンが、僕に何かを言っているのだが、キツイ訛りのあるフランス語の為何回訊き返しても理解出来ず。そうしたら、そのオッサンの向かいに座っていたオバサンが「彼は“同じメーカー”と言ってるのよ」と教えてくれた。「あー、そうなの?」と言ったら、僕の横のオッサンが「いや、彼の時計はスイス製だから同じじゃないよ」と言った。

不思議な会話だった。

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INDEX
Part 1 人生初のビジネスクラス
Part 2 トゥールーズ①
Part 3 カルカッソンヌ
Part 4 アルビ
Part 5 トゥールーズ②
Part 6 パリ①
Part 7 ポワシー
Part 8 ランス&ソー
Part 9 パリ②
Part 10 人生2度目のビジネスクラス