ANAのマイルが貯まったので、思い切ってビジネスクラスでフランス行きの航空券を予約したのが、なんと1年前。ビジネスクラスの場合、席数が少ない為、1年前に予約しないと取れないのである。更に思い切って、11泊13日に!!本当はパリだけにしようと思っていたのだが、せっかくなので、行ったことのないトゥールーズに4泊し、その後パリに移動し、パリにいる間には大学時代の同級生たちとシャンパーニュ地方のランスで合流する予定。

結構移動が多く、体力勝負な旅になりそう。でも、フランスは4年ぶりだし、パリに至ってはかれこれ50年ぶり!と思えるくらい久しぶり(実際は11年ぶり)なので、疲れたなんて言っていられない。

そして今回は、Airbnbを利用してアパートに滞在する。いつもフランスに来ると、家々の窓を見ながら、あの窓の中はどんな空間なのだろうと思いを馳せていたので、かつての留学時代のように、20年振りに束の間のフランスのアパート暮らしを選んだ。

僕にとってはささやかな、それでいて贅沢な旅。そして、本当に充実した、キラキラ輝く思い出深い旅となった。


羽田空港ビジネスクラス・ラウンジ
​2017年11月​11日(土)
それにしても無料航空券ってスゴイ。約70万円のビジネスクラスのチケットが無料になるのだ。人生初のビジネスクラスということで、僕が何よりも楽しみにしていたのは、フルフラットで寝られるその贅沢なスペースではない。何と言っても、陶器​​の皿で供されるフルコースの食事だ。フルフラットは二の次三の次。僕は寝ることよりも、いかにビジネスクラスの座席で贅沢に楽しめるか、そこに期待をしていたのだ。ところがである。今回選択したフライトは、東京からパリへのANA直行便ではなく、南仏トゥールーズに最初に行く為、フランクフルト経由でのANA便だった。ANAはスターアライアンスなので、エールフランスと提携していない為、パリ経由が不可能なのだ(ゆえにトゥールーズからパリに行く際も、エールフランスでの直行便が一番早いのに、わざわざフランクフルト経由となる)。そしてあろうことか、フランクフルト行きは深夜0時55分発である為、なんと!!!!!!ディナー抜き!!!!!ええええええええっ??!!これを知った時の落胆といったらない。深夜便は朝食しか出ないとは何事か?!ってことは、食事1回分経費が浮くのだから、その分他のサービスをしてほしいものだが、そんなものはない。がっくり。そんな僕の嘆きを聞いた知人が一言。
「でも、ビジネスクラスっていうのは、そもそも、快適に寝る為のものじゃないの?」
ま、そりゃそうだ。フルフラットね。ええ、確かに。でも、でも、でもぉぉぉぉ・・・なのだ。僕にとっては。

いかに寝ずに、シャンパンやワインを片手に映画を観たり、優雅に過ごすか。そればかりを考えていたが、深夜便となれば、確かに眠い。しかも2週間日本を不在にするので、出発直前にはジムでパーソナルトレーニングも受けている。工事現場でさえ眠れる自信のある僕が、この疲れ切った体で起きていられるはずがなかった。

機内食の豪華ディナーは諦め、羽田空港のビジネスラウンジで夕食をとることに。ビジネスラウンジだって初めてなのだ。こりゃ楽しみだ。なんてったって、食事も飲み物もタダなのだ。・・・タダなのだ・・・タダ・・・そう、タダだから、そんなに美味しいものが出るわけではないことを僕は知らなかった。かくして、羽田のビジネスラウンジで供されていた食べ物、カレーやらおにぎりやら、それらは極々普通だった。

さて、初めてのビジネスクラスに搭乗し、ワクワクしながら席に着く。と、いきなり、CA(客室乗務員)がやって来て、「高橋様」と名前付きで、今日の担当である旨を僕に告げた。椅子に座ると、あれこれ見たことのないボタンやら何やら一杯!どうやって使うんだろう~と、あたりをキョロキョロ見渡す。皆慣れた顔つき。僕なんぞ、いったいどうやってフルフラットにするのかさえ分からず、どぎまぎしていたというのに。何はともあれ、この席で12時間を過ごすのだ!楽しみ~。ウェルカムドリンクのスパークリングワインを飲みながら、何しようかな~と思っているところに、アミューズ4種が運ばれ来て、シャンパンと共に頂いた後、眠気に襲われて寝た。結局、7~8時間くらい寝た。寝ないぞ!との誓いもむなしく、フルフラットでの睡眠は快適で、すっかり疲れはぶっ飛んだ。

【アミューズ】
鴨の燻製とセミドライ無花果のラム酒漬け
さつま芋のニョッキ レモンクリームソース
スモークサーモントラウトとクリームチーズロール
アーモンドとカシューナッツのロースト




朝食メニュー
【前菜】
蟹とほうれん草の菊花和え
カステラ玉子
合鴨スモーク
銀杏塩煮

【主菜】
氷温熟成鯖味醂干し
俵御飯
味噌汁、香の物

フルーツ



そしてようやく最初で最後の機内食(朝食)にありつき、そろそろ贅沢なビジネスクラス1本目も終わりだなぁ、なんて思っていたところにCAがやって来た。綺麗に畳まれたスウェットを手にしている。何か言っているのだが聞き取れず、聞き返そうとしながら、「ビジネスクラスってスウェットまでプレゼントしてくれるんだ!すごい、さすがビジネスクラス!」と思いつつ、そのスウェットを受け取ろうとしたところ、そのCAは僕に手渡さず、手を引っ込めるではないか!
「申し訳ございません」
と言いながらその場を去り、僕の後ろの席の人に渡していた。どうやらその人の落し物だったらしい。だよね~いくらなんでも、スウェットをプレゼントしてくれるわけないよね~。

午前​​5時、フランクフルト空港到着。入国審査を終えて、ビジネスラウンジに直行。トゥールーズ行きのフライトまで約5時間の待ち時間があるのだ。羽田同様、ラウンジは綺麗だが、やはり大した食べ物はない。暇なので、マッサージ店がないかと検索したら、空港内に3つ店舗があることが分かったので、早速行ってみることに。しかし、延々と歩き、ようやく辿り着いたというのに、マッサージ店らしきものはどこにもない。きっとここのゲートの店は閉店してしまったのだろう。他のゲートにはどうやって行くのだろう?空港職員に訊いてみるも、誰に訊いても要領を得ず「分からない」と言う。英語で訊いたのだが、職員には移民が多いのか、ドイツ語訛りとは違う訛りがあった。結局、いろんな人に訊いた末、他のゲートに行けないと知り諦めることに。


フランクフルト空港のビジネスクラス・ラウンジ
5時間ボケーッと過ごし、ようやくトゥールーズ行きの飛行機に搭乗!今回はこのEU内での移動もすべてビジネスクラスである。たかが1時間半のフライトではあるのだが、結構期待していた僕がバカだった。​​ルフトハンザのビジネス​​​クラスは驚くほど席が​​​​​​​​狭い。エコノミーと変わらないではないか。先頭にあるということと、気休めの機内食が少しだけ豪華、という点のみである。座席にはモニターも付いていない。

「Part 2 トゥールーズ①」へ

INDEX
Part 1 人生初のビジネスクラス
Part 2 トゥールーズ①
Part 3 カルカッソンヌ
Part 4 アルビ
Part 5 トゥールーズ②
Part 6 パリ①
Part 7 ポワシー
Part 8 ランス&ソー
Part 9 パリ②
Part 10 人生2度目のビジネスクラス